2017/09/29 19:00
東京小平にある武蔵野美術大学近くのアトリエ集中エリア。このネットショップのスペースAtelier10-48(トーシャ)があります。
そこは県外から来られたお客様には、
いつも
「ここ東京ですか?と」聞かれるくらい、
東京でも「わざわざ」来ていただくようなところにありますが、皆様「謄写版」(ガリ版)を触れてみたい!という目的を持ってお越しになられます。
そう、不思議な名前のこのオンラインセレクトショップは謄写版(とうしゃばん)専門のアトリエスペースが皆様に商品をお届けしています。
このセレクトショップの本サイトhttp://10-48.net/
は2008年に謄写版技法紹介サイトとしてオープンし、活動を始めました。
この時にこの10-48(トーシャ)という名前を使い始めたのですが、
経緯が、
なんと、、
良いドメインがなかったから。。。
という理由から10-48になりました。(本当はto-syaドットネットになる予定でした)
来年で丸10年経ちますが、今思えばこの名前にしてよかったと思います。
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さて、
謄写版と聞きますと、ある年代の方だと「学級新聞を刷った」など特別な思い出をお持ちの方も多いと思います。
思い出の謄写版にもう一度触れてみたいという気持ちでAtelier10-48へお越しいただく方も大勢いらっしゃいます。ありがとうございます。
ですが、私も含めズ・バ・リ「謄写版」の世代でない方へ紹介する時、「懐かしさ」を提示するのは「違うな。。」と感じています。
時代を知るお客様中には「若い方の参加動機がわからない」とおっしゃるかたも多く、
確かに今の時代とどう謄写版がコネクトするのか興味深い意見でありました。
では、そういった若い世代のお客様はどのようなご経緯で体験しているでしょうか。
伺ってみますと、「自前プリントを行いたい」や「自分で何かを(漠然と)作りたい」が多く見受けられます。
ここで私が感じたことは「自分、自前」といった「個人」「パーソナル」なワードがお客様の言葉には必ず存在することでした。
明治中期、
すでに活版印刷といった舶来技術が輸入されてはいましたが、十分ではなく、「簡易に印刷が出来る道具」がさまざまな分野から待望され開発され販売されました。
それが「謄写版」なのです。
「簡易に」というところでかなり「少人数や個人」を想定した道具だったと伺えます。
今の時代SNSといった「個」を中心としたサービス・メディアが欠かせ無くなっています。
より自分の思いを発信する形として様々なサービスが日々誕生しています。
「謄写版」全盛期でも個人の思いを載せて発信する道具として活躍していたこともあり、遠い存在のようで共通点のある存在なのかもしれません。
若い方のご参加は、そもそも謄写版が持つ性質に(そのものがわからずとも)シンパシーを感じ取ってのご参加だったのかなと考えています。
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10-48では今こそ丁寧に謄写版を紹介するチャンスかと感じていて、
サイトやyoutube動画、そしてこのオンラインショップでも様々な形で紹介しています。
Atelier10-48は小さなスペースではありますが、謄写版技法の未来に向けて挑戦できる基地として歩み出せたらと願っています。
ちょっと不便な所にありますが、お客様には謄写版を通じて新たな発見ができるよう頑張っています。